loveM’s Diary

嬲る仁義

バイス(2018)

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先日、『マネーショート』を鑑賞しましたが、同じ監督同じ主演の映画がまだありました。

アメリカ第43代副大統領のチェイニーの伝記映画『バイス』です。彼女によるとこの言葉はダブルミーニングで副のほか悪という意味も含んでるようです。海外ドラマのマイアミバイスのバイスは副マイアミではなくマイアミの悪だと確かに合います。

同じ主演と言いましたがふっくらしたチェイニーを何とクリスチャンベールが演じています。気づきませんでした。あのマシニストガリガリになった人と同じとは思えませんね。体型的にはフィリップシーモアホフマンあたりがピッタリだけど既に亡くなっているからなあ。

それにみんなソックリ!ライス長官もラムズフェルド補佐官もパウエル長官もみーんなソックリ!

上手くメイクしたんでしょうが、ブッシュは顔よりもバカそうな雰囲気と口調が似てましたねー。

 

チェイニーの生い立ちから映画は始まりますが、この人はエール大学を中退した後奥さんに尻を叩かれるまでブルーカラーだったようです。

エリートへの劣等感があったのかよくわかりませんが学歴でバカにされるようなこともあったでしょう。

あとこの人は心臓に持病を持っており、在任中も発作を何回も起こしているようです。それでもニクソン政権からブッシュ政権を渡り歩き、叩き上げから副大統領の地位まで上り詰めました。映画の中でも言及していますが、副大統領というのは要するにお飾りで何の面白みもありません。ところがこのチェイニーという男は悪巧みに長けており、弁護士と共謀し合衆国憲法を拡大解釈し、一元的執政府論という考えの元にまるで独裁者の如く強権を発動していきます。この一元的執政府論と言うのは要するに有事に大統領が議会の承認を得ずとも独断で政策を決定出来ることを言います。つまり彼は副大統領在任中、独断で9.11の復讐をビンラディンだけでなく、大量破壊兵器を持っていなかったイラクに対しても負わせたのです。

では当時の大統領ブッシュは何をしていたのでしょうか?チェイニーの操り人形だったのでしょうか。映画ではさもアホみたいな喋りや言動が何か気に触るというか、本人知らんけど多分何か似てるんですよ。劇中、親父ブッシュも次男のジェブの方を期待していたし。どこまでバカにしてるのかとw

 

インタビューで追及され国を守るためだとチェイニーは開き直っていましたけど、この考えが正しくアメリカそのものなんですよね。