夜の診察室(1971)
記念すべきブログ一作目は松坂慶子の初主演作『夜の診察室』
大映倒産直前の映画になります。内容はセックスコメディと言うのかな。日本映画と言うよりウディアレンとかフランス映画のような奔放で軽妙洒脱な映画でした。総じて男性側と言うより女性側からの視点なのがインテリジェンスを感じます。
監督は最後の大映を支えた帯盛迪彦。高校生ブルースとか青春というか性春映画が多い方です。
いや、意外に面白かったですよ。
セックスを連呼する口元だらけのオープニングが素晴らしいですが、内容も良かった。
二組の夫婦の性の悩み、一組はセックスレス、もう一組はソクバッキーに対する悩みを解決し、最後は主人公である松坂慶子自身の悩みが解決したところで終わりました。
初々しい松坂慶子は当時20歳前で少々大仰だけど体を張った演技を見せます。
相手役は後に岡田有希子の件で図らずも名が知れてしまった峰岸徹。松坂慶子はヌードこそ見せませんが、ボンデージSMムチ振りまで披露します。
実はこの主役、当初は松坂慶子ではなく渥美マリだったようですが、ヌードやらセックスやらそんな役はもうしないと断ったため松坂慶子に変更されたのです。
これをきっかけに松坂慶子や同じく体を張った大映の関根恵子が大女優と成り上がっていくのを見て渥美マリはさぞ悔しかったことでしょう。
でも渥美マリの気持ちもわかるんですよ。当時は枕営業なんてザラにあったでしょうからね。
今は告発すれば問題視されますが、それでも氷山の一角ではないでしょうか。