loveM’s Diary

嬲る仁義

緑魔子

 

増村保造監督の1969年の作品です。原作は江戸川乱歩

 

映画の話は後半で

 

 

緑魔子に憧れてて、頭の中が緑魔子でいっぱいでした。

少女のようでアンニュイで、それでいて毒があって、70年代あたりのサブカルが好きな人にとってはスターというか、女囚サソリの梶芽衣子緑魔子かみたいな雰囲気がありました

 

でもたぶん梶芽衣子はメジャーなのでやっぱり緑魔子

 

ちなみに2000年頃、家のMacで「緑魔子」と検索すると「魔」を打ち込んだところで爆弾マークが出て電源が落ちるという事象が発生し

まだまだこの頃はデザイナーなどそちら系か医療関係者くらいしかMac愛用者はいない時代でしたが、

このイシューを友人に言うと「うそだぁ」と言って家に来て「緑魔子」と打ち込んでみるんだけど、本当に「魔」で爆弾が出てみんなびっくりしていました

別に前後が「緑」「子」じゃなくても、爆弾は出たんだと思いますが、とにかく毎日毎日「緑魔子」を検索していました

 

Macはデスクトップでしたが当時はアップルのサポートもよくなくて、最終的にPCは廃棄した記憶があります

 

 

映画の話

 

それで当時、緑魔子が好きなら真っ先に観るべきと言われていたのがこの「盲獣」という映画でした。

緑魔子はモデルの役。あとは盲目の男とその母親が出てくるのですが、巨大なオブジェがある密室で、皆おかしくなっていくストーリーなのですが

観た人のコメントなどを聞くと「こんな後味の悪い映画はない」というものが多く、

どれだけかわいい緑魔子が観れるとしても、観る気が起きなかったのです。。

 

そして、緑魔子の作品をだいぶ見て、他に鑑賞するのがなくなった頃にこれを観たのですが、やっぱりみんなが言うように、もういいや、って思いました

たしかに緑魔子はかわいい。けれどもそれを上回るくらい、映像か話かがエグいのです。

 

 

個人的にこの映画のラストシーンは、本当にうんざりしたのだけど、人間って社会性を失った瞬間に動物以下になるんだなっていうことを思い知らされた感じ

 

好きとか愛って「相手を自分のものにしたい」という気持ちがあり、その延長線上には「相手に同化したい」「相手を殺めてしまいたい」というのが普通にあると思うのです。

ハンニバルの中にも引用で出てきましたが「あなたの心臓を食べてしまいたい」などというのも、アブノーマルではないと私は思っています。

それをそうしないのは単に社会に生きているからブレーキがかかるだけで、そういうものを取っ払ったらこの映画のように滑稽なくらい、貪り合い、傷つけあい、って人間普通にしてしまうと思うのです。

 

そんな風なことをこの映画を観てから感じるようになり、自分も含めて若干人間にうんざりし、

 

そして人を見るときには、

そういう狂気が人間の中には潜んでいることをこの人は知っているのだろうか?という観点で観察するようになりましたね

「自分は正しい」「決しておかしな行動はとらない」と思っているひとほどいざとなるとコントロールを失うものだから。歴史を見ても明らかですが。

 

映画の話からずれてしまったけども

アマゾンレビューにもありましたが、実験的作品でもあり、「今の時代じゃ作れない」そうなので見る価値はあるのかもしれません

 

 

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