loveM’s Diary

嬲る仁義

呪われた家

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1979年の映画『悪魔の棲む家』は実在の事件を元にしています。マニアならこの建物を見ただけで分かるはず。

1975年12月ニューヨーク州アミティヴィルの家にラッツ夫妻は3人の子を連れて引っ越してきました。その日から超常現象に悩まされます。ある日、居間から大音量の音楽が聞こえ、窓やドアの開閉音が聞こえ見に行くも何もないという事が起き、とうとう1976年1月、たった一ヶ月で家を出ます。八万ドル出して買った家をなぜ一カ月足らずで出ていく事になったのか。

と言うのもこの家、実は事故物件だったのです。

 

この家、前の住民デフェオ家の長男ブッチが1974年11月に家族6人を惨殺した場所だったのです。

ブッチの弁護士は心身喪失を主張。知らない声に従ったってやつ。結局陪審は弁護側の主張を退け有罪、禁錮25年から終身刑で確定しました。

つまりラッツ家はブッチの判決から2か月程度で家具付きのこの事故物件に引っ越してきたのです。だから八万ドルは心理的瑕疵につき特価なんですね。それにしても殺人が起きた家の家具なんて要らなくないですか?

 

たった一か月の間で何が起きたのか。

 

父親のジョージは毎日3時15分に目が覚める。

(3時15分はブッチが家族を殺めた時間)

娘のメリッサは赤い目の巨大な豚が見えるようになる。

天井や壁から緑のスライムが落ちてくる。

物が動いたり壊れたりする。

懇意にしている神父と電話連絡を取ろうとするとすぐ切れてしまう。

 

マスコミのおかげで有名になり著名な心霊研究家ウォーレン夫婦の目に留まります。妻のロレインはいわゆる憑依型、イタコタイプですね。

1976年3月、彼らを含む心霊研究者やカメラマンなど総勢21名が調査のため家を訪れます。早速起きる数々の超常現象に皆それぞれ一様に恐怖に怯えます。カメラマンが2階の踊り場で撮影した赤外線写真はかなり有名な心霊写真の一つです。

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左側に目が光ってる男の子がいますが、、、

霊がこんなハッキリ映るかいな

 

この心霊事象、

デフェオ家惨殺事件によるものか、

元々の家が呪われていたのか

 

ここから話はちょい胡散臭くなるのですが笑

 

ラッツ家の父親ジョージは3人の子供の継父ですが、長男ダニエルによるとジョージはオカルトや超常現象が好きだったらしい。

ダニエルは継父ジョージのオカルト好きがこの家の呪いを呼んだと考えているようです。

このラッツ夫妻もかなり胡散臭い存在。このオカルティックな事件の顛末を金に変えようとしました。初めは家の購入費用八万ドルの回収に当てていましたが、味を占めてしまったのです。1976年当時はホラー全盛で、素材としての第二のエクソシストを探していたのでしょう。ジョージはブッチ事件を担当したウェバー弁護士に協力を求めます。ウェバーは利益の折半を条件に快諾。出版社に勝手に話を売り込みますが直ぐに仲違い。

懲りないラッツ夫妻は次に作家のアンソンに頼んで本を刊行します。そしたら今度はウェバー弁護士が怒って呪いの話は全て捏造だと暴露。本の記事の内容について異義を唱えはじめます。

いつの間にかドロドロの金の争いに発展してしまいました。儲けのためには幽霊だって利用するぞと。全くロマンがありませんね。

 

2000年ブッチは手記にて単独犯行から複数犯行だと供述を翻します。曰く男性との交際に反対されていた長女ドーンとの共犯であると。元々ブッチは両親だけを自分のライフルで殺害するつもりでした。しかし弟妹はドーンが殺害したと主張するのですね。予定外の弟妹まで殺されて思い余ったブッチがドーンを殺害したと。まあでも事件から25年ですから今更信じませんよねえ。

更に他に共犯がいることを匂わせます。実際にデフェオ家の遺族が探偵を雇い調べたところ共犯者がいたと思われる証拠が出たとか。例えばドーンの体に残る火薬やけどが凶器の銃からのものと一致しないので第二の凶器があるとか。2011年に付近の運河を調べたら銃が出てきたとか。

ブッチは2021年に亡くなりました。真相は闇の中です。

 

私は『悪魔の棲む家』は確かに見ていますが、内容が『悪魔の追跡』とカブってしまって、もう一度見てみようかと思っています。悪魔シリーズは70年代は多かった。もっとも邦題がそうであるだけですが。スティーブン・セガール沈黙シリーズのように。