loveM’s Diary

嬲る仁義

大西茅布さん

あけましておめでとうございます。

 

彼女に誘われてBohemian’s Guild Cageで開催されていた大西茅布さんの新作展『トラウマ遊園』に行ってきました。2021年に史上最年少で岡本太郎現代芸術賞(TARO賞)を受賞した新進気鋭のアーティストで今は芸大在学中なのかな?とても20歳のお嬢さんが描く絵とは思えないおどろおどろしいインパクトがあるホラー感満載の絵。伊藤潤二系の漫画が好きな人なんかは好むんじゃないかな?

ちなみに芸大の油絵学科は毎年850名入学希望していて合格するのは50名程度の超難関コースらしい。才能があるんですね。

絵のことは詳しくないけど、繊細ではなく全体的に力強い印象。色彩も豊かだし頭の中に思い描いた通りに描いている気がします。

1番気を引いたのが継ぎ目のない32メートルキャンバスに描かれた大作『トラウマ・トロイメライ』という作品。狭い部屋に納まりきらず、全体を俯瞰出来る配置がされていません。しかし圧巻ですね。作品を写真や画像を見ると怖い印象だけど実物を見るとそうでもないんですよ。

ちなみに訪れた日は個展最終日でして本人とお父さんも来ていました。YouTubeで見ていたのでちょいとテンションが上がります。彼女も茅布さんとお父さんに話かけたかったみたいだけと、緊張して話せませんでした。このお父さんがまた外見はほのぼのとしていますが、茅布さんの育て方がちょっと変わっています。幼少期からウンベルト・エーコの『醜の歴史』という本というか画集を見せていたとのこと。エーコは超難解な映画『薔薇の名前』の原作者で一度見たことがありますが、やはり全く意味がわからなかった。主演はショーンコネリーが出ていて宗教色が強かったな。あとクリスチャンスレーターがザビエル型ハゲを晒していたのを覚えているくらい。そういう世界感を幼少期に理解させようとするのですからお父さんやりますねー。

この2人見てると凄く仲が良い。普通年頃の女性は父親を嫌うもの。その絵からも性格が陰に向いていると思いきや、ほんと極々普通のお嬢さんでした。あれだ!暗い曲歌う中島みゆきや山﨑ハコが普段明るいみたいなものか。神保町だからボンディのカレー食べに行こうとキャッキャしていて可愛らしかったです。

前述した通り、絵を目の当たりにするとその幻想的な美しさに怖さが薄れるのですが、ちょっと購入してみようかなと思ってしまいました。

『トラウマ・トロイメライ』は二千万円を超えていましたが、1番安い作品で15万円くらい。家に飾っても良さそう。

 

という事で私が1番気に入った作品がこれ。

 

路上安楽

 

茅布さん曰く

『道路に寝るのはベッドに寝るより精神的に快楽だと思う』

だって。

今となってはお二人に好きな映画を聞きたかったかも。