loveM’s Diary

嬲る仁義

モネ・ゲーム(2012)

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モネ・ゲームを見ました。1966年の「泥棒貴族」をリメイクし たものです。脚本はコーエン兄弟ですね。エグイ心理劇が多い中でライトタッチな作
風は珍しいかも。
主演はちょっとティム・ロビンスに似ているコリン・ファースアラン・リックマントム・コートネイのベテランイギリス勢。
その二人に絡むのがいかにもヤンキー娘然としたキャメロン・ディアス。相乗効果を期待しちゃいます。
というかもう喋っている英語が全然違います。イギリス製のイングリッシュ=イングリッシュは耳に心地よく惚れ惚れしちゃう。

印象派モネの絵にまつわる犯罪コメディといった感じです。
コリン・ファースいいよな。この人はコメディでもシリアスでもどちらもいける。
コリン・ファレルなんかより全然いいわ。

あらすじは
モネの絵画を集めているメディア王のリックマンは、お抱えの鑑定士コリンに対し長年横柄な態度をとっており
その恨みでコリンは贋作をつかませて腹いせに彼から大金をせしめてやろうと画策。んでその贋作を作るのがトム・コートネイ演じる少佐。
モネの作品で「積み藁・夜明け」というのと「積み藁・夕暮れ」という2種の絵があって
過去にリックマンは「夜明け」の方を日本人と争って入手した経緯があり、もう一つの「夕暮れ」を探していて
コリンはテキサスのカウガール、キャメロン・ディアスの祖夫が戦 争に乗じて入手していたことにして、キャメロンを仲間に引き入れます。
あとはコートネイが作った「夕暮れ」を贋作なのに本物だとコリンが鑑定してリックマンから大金をゲットするだけでしたが、そうなかなかうまく
いきません。
鑑定士をスタンリー・トゥッチに変えられたり、キャメロンとリックマンの仲に嫉妬したり、ロンドンの高級ホテル「サヴォイ・ ホテル」で
キャメロンに大金を使われたり、「サヴォイ・ホテル」の高価な花瓶を盗もうとして結局盗めなかったり。
精算時にドキドキしている表情のコリンと大量の明細書を提示する サヴォイ・ホテルの従業員とのやり取りがウケます。
あと浮気男のように上半身スーツ、下半身パンツ姿で「サヴォイ・ ホテル」の外や中をうろつくコリンの姿も笑えます。

どうなっちゃうんだろと思っていたけど、胸のすく終わり方でした 。え?そうだったんだ。という意外な結末です。
コリンは間抜けなようでちゃっかりしていましたねー。そしてやはり絵に対する愛情というか鑑定士としてのプライドはしっかり持っていることが
わかりました。
キャメロンにも義理を果たしましたし。

そうそう他に見どころ結構ありますよ。特に狙っていたのか?「ダイハード」との因果関係。

アラン・リックマン。彼は「ダイハード」で死ぬ直前にブルー ス・ウィリスから「イッピカイエー」と捨て台詞を言われていますが
今作ではトム・コートネイが「イッピヤイエー」と言っています。 ちなみにカウボーイ用語で「ヤッホー」みたいな掛け声のことですね。
それからステレオタイプの日本人が出てきます。やたらとお辞儀してヘタな英語でリックマンをゲンナリさせます。
一方「ダイハード」でもリックマンが襲撃するビルは日系のナカトミビルでしたね。うーん興味深い。
というか円高やバブルで日本人が絵や資本を買いまくっていたのは今からもう30年以上前。今や円安で疲弊しているのに日本人いじめしなくても
良いでしょ。
と思ったらこの作品は2012年作でした。あ!でも当時民主党政権時代で株価ボロボロだったからやはり疲弊していたかも笑

あとネコ出てきますー。猫がライオンに変化します。それをカウガールのキャメロンが捕まえて縛り上げます。ここ、前半カウガール時代の伏線を
回収しています。

 

ちょっと気分が落ち込んでいる時なんかに見るのが丁度良い感じの作品だと思います。