ソドムの市(1975)
問題作ソドムの市を久々に観ました。
DVDで持っててその内プレミアが付くかなと思ったらブルーレイで出ていたのでガッカリしました。意外と需要があるんだなと。
私はSMやエログロについて造詣が深い訳ではないです。興味は多分にありますが、極めている訳ではありません。
ちなみにエログロで1番凄かったのはピンクフラミンゴという映画。
ソドムはネタバレしても問題ないかと思います。なぜならこの作品は内容を知ってから観る人が殆どだから。
4人の権力者が結託して美男美女を集め、権力をかさにやりたい放題するって映画です。
やりたい放題は一般人の通常の想定を超えます。観てると気分が悪くなるくらい凄惨です。いくら美女のモノでもさすがにこれはイヤだって思います。監視も緩そうなので逃げようと思えば逃げれると思うのですが。
んで、これは監督が変態、異常性欲、残虐行為を消費社会と権力を暗喩しているとか、消費主義、快楽主義を資本主義に迎合させて云々とか色々コメントを読む訳です。ふーんなるほど時代背景としてヒトラーやムッソリーニの支配下にあったイタリアにおけるナチス傀儡政権でのファシズム主義が背後に関係していて、ともすればこの大仰かつ過度な表現があたかも思想自体を揶揄しているように思われ、結局それが監督自身の悲惨な結末に結びついてしまった訳です。
エンディングの殺戮シーンで不気味に流れるのを調べたらカルミナブラーナの第一部『春の愉しい面ざしが』って曲。題名は明るめなのね。
原作はマルキドサド。変態行為によりほぼ生涯を監獄で過ごした中で書いたソドムの120日を元に監督のパゾリーニが映画化。パゾリーニはこの映画のクランクアップ直後、囲っていた映画の出演者に殺害されました。ところが2005年になってこの出演者がパゾリーニの過激な思想に恨みを抱いたネオファシスト達によって殺害されたと発言を翻します。
当時、ネガフィルムが盗難に遭い、返却交渉のためノコノコ出ていった際の惨劇のようです。
ではどこがネオファシストの怒りを買ったか、、私は異人種間の性接触と、露見後射殺前に挑発するように拳を突き上げたシーンじゃないかと踏んでるんですが。
政治的思惑と当時の世相を考慮して観ると見方も変わりますかね。
いずれにしてもパゾリーニの性的嗜好が如実に表れた貴重な作品だと思います。
体制批判なら別にサドの原作を元にしなくても良い訳です。
そうなってくると政治的なイデオロギーから離れた部分において純粋にマルキドサドの頭の中に興味が湧きます。一体どんな思考なんだと。
と言うことで本を購入しました。
ソドムの120日は未完成で序章+4部ある中の序章と1部までしか完成していません。
この本は序章のみになりますのでいよいよこれからって時に終わります。
映画ではサラッと流していましたが、最初の数ページで近親何チャラやら娘スワップやらで今後の展開に期待させてくれます。
ソドムの市 <HDニューマスター版> ~制作40周年記念~ [Blu-ray]